「女性・平和・安全保障に関する国連安保理決議第1325号履行のための大韓民国『国家行動計画』」採択に対する＜1325号ネットワーク＞声明書

—持続可能な平和と性の平等を促進するため、1325号国家行動計画の積極的な履行と民官のグッド・ガバナンス構築を求める—

2014.5.27

　韓国政府は2014年5月23日「女性・平和・安全保障に関する国連安保理決議第1325履行のための大韓民国『国家行動計画』」（以下、1325号国家行動計画）を国連に提出したと公表した。この間、韓国で1325号国家行動計画を策定することを促進し、内実ある国家行動計画が立てられるよう、内容に対する批判と支援を惜しまなかった＜1325号ネットワーク＞は、1325号国家行動計画策定に対する立場を次の通り表明する。

1．1325号国家行動計画採択には意味がある。2000年に国連安全保障理事会で「女性・平和・安全保障に関する安保理決議第1325号」を採択後、14年目である。これにより、韓国は国連安保理1325号国家行動計画を打ち立てた45番目の国家となった。1325号国家行動計画は、国内初の女性・平和・安全保障に関する包括的な国家行動計画である。韓国は平和に関連し、国際的な注目を集めていたが、この間、平和・統一・外交の領域で女性は見られなかった。そのため、1325号国家行動計画が紛争解決、平和構築での女性の同等な参与、女性の人権保護、性の平等と女性の権限の強化を促す主要な道具となることに期待する。

2．しかし、韓国政府が今回の国家行動計画策定の過程で、女性団体が提出した多様な提案のうち、一部のみを受容した点が非常に残念である。特に、1325号国家行動計画の履行のための民間協議体の構成、駐韓米軍の存在事実およびその被害者の支援などに関する内容が抜け落ちた点は、非常に遺憾である。2012年に国会で「国連安全保障理事会決議第1325号に従った国家行動計画策定を促進する決議文」が採択された後、国家行動計画を規定する法律がない状況で、平和・統一・外交の領域に対する性別による社会経済的分析結果と性の認知の統計がなく、国家行動計画に反映される内容は制限されていた。

3．今後、効果的な1325号国家行動計画の履行のため、政府が強い意志を持って次の事項を推進することを要求する。

1)　1325号国家行動計画履行のための法律的・制度的整備を要求する。この度発表された国家行動計画をきちんと履行するならば、女性の権限の強化に寄与することができるであろう。現在、1325号国家行動計画の主務部署が変更される予定だと知られている。履行をきちんと実行するために、政府が近い期日内に主務部署を明確化し、責任メカニズム、報告体系、予算配備、履行評価指標の開発、モニタリングに対する具体的な計画策定などを含む法的・制度的な整備が作られなければならない。

2)　1325号履行の過程で「政府と市民社会の新しいガバナンス」が促進されることを提案する。今回の国家行動計画策定過程で、政府は市民社会の要求を受容し、政府と市民社会が一緒に参与できる民間協議体を構成し、国家行動計画の草案を議論した。これは女性・平和・安全保障に関する最初の民間協議体として、この領域で新しいガバナンスを担うための試みであった。しかし、履行過程で民間協議体は計画になかった。私たちは、1325号国家行動計画に関する事項を点検、調整、評価、制度改善などを論議する＜1325号国家行動計画　民間調整委員会＞を政府が受容すべきであると改めて要求する。

3）1325号国家行動計画を履行できる客観的な環境を醸成すべきである。今回、セウォル号の惨事を通して、領土と主権を保護対象としている伝統的安全保障観を超えて、人間の福祉と安全問題まで包摂する人間の安全保障の重要性を確認することができた。私たちは、1325号の徹底した履行が、国家安全保障を超えて性の平等と女性の権限の強化に寄与すると考える。また、政府の平和定着への努力なしに1325号の履行は難しい。政府が軍事力増強と戦争抑止を通じて分断体制を維持するのではなく、北朝鮮と政治軍事的協議、社会文化交流、経済協力を追求し、朝鮮半島の平和定着の道に進まなければならない。

改めて、私たちは1325号国家行動計画が持続可能な平和、民間のグッド・ガバナンス、性の平等のための土台となり作動することを願う。また、私たちは平和・統一・外交の領域の主体として、朝鮮半島の分断の解消および平和定着、女性の権利の向上および性の平等のために積極的に活動して行くことを誓う。

1325号ネットワーク

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